小規模多機能と看護小規模多機能より居宅サービスの組み合わせの方が向いている利用者も多くいます。

法人の職員より報告相談がありました。
地域密着型サービスで、特に小規模多機能と看護小規模多機能の利用について、利点や注意点や疑問点など十分に浸透していないのではないかと感じましたので、投稿しています。比較的に新しいサービスであり、数も少ないのでしばらくは浸透しにくいのかなと思います。

利点
①包括報酬型=月々の介護費用が安定している
②小規模の空間で、大きい施設が苦手な利用者も落ち着いて過ごせることが多い
③通いと泊まりの事業所が同じで、場所も職員も利用者にとって馴染みの場所となる。
④通所の際に、家族等の送迎で有れば時間の都合をつけやすい事業所が多い。
⑤住宅系サービスを併設すると医療的ケアの受け入れる範囲が広がる

注意点
①包括報酬型=使い放題ではない
 「自費が発生して経済的に厳しい」という理由のみでの選択肢ではないと、多くの資料で説明されています。「小規模多機能 使い放題」と検索すれば様々な情報が出てくると思います。

②いわゆる定期利用ケアプランを希望する方には向いていない
 こちらも様々な記事で取り上げられてきましたが、登録利用者で事業所のサービスをシェアすると考えると理解しやすいかと思います。一番平均的な通いと泊まりの定員設定は、1日の通いの人数15名、泊まりの人数も泊まりの部屋が9部屋なので9名ということが多いです。29名でシェアすると考えると、既存の登録者が多い事業所で新規利用の方が「曜日固定の定期利用で週5回の泊まり」や「定期利用で週5回の通い」といったサービスを希望される場合には対応できないサービスです。訪問サービスの組み方にしても、訪問対応職員が1から2名体制であることが多いため同様です。
 定期利用で通所や泊まりを希望される場合は、居宅サービスの組み合わせが向いていると考えられます。その場合に事業所を1事業所とすることは困難であることが多いと考えられます。また利用回数や時間により月々の負担額が変わることは制度上仕方のないことであると考えられます。

疑問点
①住宅系サービス併設は適切か
こちらについては、地域により必要と考えられます。中医協の資料だったと記憶していますが、「介護・看護サービスを住宅系サービスに併設する」ことで病院からの退院を可能にするというモデルとして例示されています。また、2025年の地域別必要病床数に関するデータでも、「病床以外の高齢者住宅等のサービスで追加的に対応する必要がある患者数」として地域別に示されています。
※看護小規模と住宅の併設の地域の利点は、特に、退院後の自宅や医療的ケアのない介護施設への中間地点となることです。希望に応じてお看取りまで対応できます。病床数が足りない関東では自治体から併設で事業者に提案される地域もあります。
※小規模多機能と住宅の併設は、入所施設が足りない地域には必要な組み合わせと考えられます。特に個室の入所施設が少ない地域に向いていると考えられます。
※看護小規模多機能も小規模多機能も連泊での利用に介護保険での制限はありません。医療保険での看護小規模に連泊する利用者への訪問診療に関する部分も、円滑な退院から看護小規模への移行のために前回の診療報酬改定により変更されています。

 上述から住宅等の併設について国は囲い込みなどという判断はしていません。地域のニーズに合わせて柔軟に組み合わせができるように、報酬設定も住宅等併設の場合とそうでない場合の2種類で制度化されています。
 地域における小規模多機能および看護小規模多機能の「本来の使い方」は、地域医療構想と介護保険事業計画の双方向視点で地域の実情に合わせ必要なサービスを組み合わせ、その地域の優先課題に合わせることることです。

 結論ですが、小規模多機能や看護小規模多機能よりも居宅サービスの組合せが向いている利用者も多くいます。
 居宅サービスの組合せで自宅で暮らす高齢者は今後も多いと思います。その時に居宅ケアマネージャーの工夫次第で、より暮らしやすくしていけるのではないかと考えます。経済的負担の軽減も、介護だけでなく障害や医療の制度の活用も考えられます。居宅ケアマネージャーという仕事は今後も不可欠で、従来の通所やショートや訪問という包括報酬型でないサービスも今後もずっと必要で、居宅ケアマネージャーは相談調整という部分では施設や小規模多機能より力量が問われると思います。地域の事業者との連携がすごく重要になってくると思います。
 あとは従来の通所やショートや訪問のサービス提供量を地域で増やしていけると、今後も希望に添いやすいサービスのインフラが出来上がるのではないかなと思います。事業所間も、サービス提供側も利用者も、お互い様の原理で、介護保険サービスを持続させることが大切だと思います。